2025年から、DXの取り組みに着手
2025年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用
Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。
当社は1985年に創業し、公共施設や店舗などの空調設備のメンテナンスを手がけてきました。多くの現場で保守点検や修理を行ってきましたが、それらの記録が一元管理されておらず、担当者ごとに異なるフォーマットで保存されている状態でした。そのため業務の引継ぎや分担がスムーズにできず、お客様にご迷惑をかけてしまうこともありました。
そのような状況で数年前から業務がひっ迫し、業務量にも偏りが生じるようになったため採用にも力を入れましたが、なかなか成果が出ませんでした。やがて「業務環境が整っていない会社に誰も魅力を感じないのでは?」と考えるようになり、DXを通じた業務改善に取り組むことにしました。
Q. どのようなDX推進を行いましたか。
DX推進コンサルタントから「各々の意識を変えることがDX」という考え方を教わった上で、まずはノーコードアプリを使って作業報告書の電子化に取り組みました。また、現場作業の進捗管理には建築業向けの施工管理アプリを活用し、現場写真や作業状況をスムーズに共有できるようにしました。
さらに現在は、AIを活用した人事評価制度の構築や、手書きの構成図を自動で清書するAIツールの導入なども検討しています。加えて、社員のデジタルリテラシーを高めるためにITパスポートなどの取得も推奨しています。
Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。
報告書や日報をデジタル化したことで、現場作業を終えて帰社後に行う残務処理の時間が削減されました。また、施工管理アプリで現場写真が共有しやすくなったことで外注業者も含めて写真のクオリティが統一され、作業記録としての精度が上がったと感じています。幸い、当社は6名ほどの小さな組織で、かつ基盤システムがもともと存在しなかったため、新しいツールの導入も容易だったと思います。
何より大きな成果となったのがDX認定の取得です。専門用語が多い申請書の作成には苦労しましたが、DX推進コンサルタントに指導いただきながら無事に提出し、取得することができました。

手書き(左)からデジタル(右)へと移行した日報。業務効率化と記録精度の向上を同時に実現した。
Q. 今後どのような展開を検討されていますか。
見積書や請求書の作成といったバックオフィス系の業務もアプリで一元管理しようと試行錯誤しています。また、AI活用の幅も広げて、事務的な作業をさらに減らしていきたいと考えています。
一連のデジタル化に伴い、これから空調の保守や修理に関するデータが蓄積されていくと思います。それらを活用し、これまでの受動的な修理対応から積極的な提案営業へとビジネスモデルを変えていきたいと考えています。同時に社内業務はさらに効率化し、育児や介護などを抱えていても働き続けられる職場を築いていきたいですね。

ノーコードアプリで開発中の請求書作成アプリ。見積・請求などのバックオフィス業務を一元化し、事務作業のさらなる削減をめざす。


