Case

事例紹介

藤田商事株式会社

業種

2026年取材

2024年から、DXの取り組みに着手
2024年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

当社は主に梱包業者様やパレット製造業者様へ釘、各種梱包資材を供給する商社として70年以上歩んできました。私たちの業務は見積書作成や仕入先への発注、配送、納品、請求などが複雑に絡み合っていますが、それらがマニュアル化されておらず、40年以上の社歴を持つ営業部長の“暗黙知”に頼っている状態でした。また、長年にわたり紙の台帳で業務を管理してきたため、社員もその環境に慣れており、長時間労働が常態化していたにも関わらず現場は改革に消極的でした。営業部長の定年退職が迫る中、業務フローの可視化と平準化が喫緊の課題となりました。

主力商品は「釘」。その他にも、テープ類や緩衝材など多様な商品を取り扱っている。

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

DX推進コンサルタントの黒﨑さんから、いきなり改革を進めるのではなく、まずは現場が抱えている課題を抽出するようアドバイスをいただきました。そして全社員で改善点を洗い出し、それらに絡める形でDXの具体的な施策を進めていきました。今振り返ると、このステップがなければ現場の協力を得るのは難しかったと思います。

まず取り組んだのは仕入先への発注方法の改革です。もともとは担当者ごとに発注書の書き方や発注方法がバラバラで、発注の状況がとても分かりづらい状態でした。ノーコードツールで発注用のアプリを作成し、統一フォーマットでの発注や発注履歴を確認できるようにしたことで、誰が、いつ、なにを発注してどのような状態なのかが一目でわかるようになりました。その後も受注情報や見積書、商品の加工作業を管理するアプリなどを作成し、紙での管理業務を順次デジタル化していきました。

ノーコードツールで開発された発注管理画面。担当者ごとに異なっていた発注業務を統一し、紙に頼らないデジタル管理への第一歩となった。

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

最初は現場の抵抗が強かったのですが、改革の必要性を伝えながら施策を進めていくうちに、徐々に協力的になっていってくれました。それを顕著に感じたのが商品マスタの整備です。もともと「商品をコードで管理する」という考え方が根付いておらず、同じ商品でも担当者によって帳票に書く品名が異なることもありました。そのため商品ごとの販売履歴などを把握するのが難しく、売上管理も非効率的でした。

そこで個々の商品コードの設定を厳格化し、商品マスタの整備を進めるうちに現場がその重要性を少しずつ理解してくれて、自発的にデータ整備を進めてくれるようになりました。そして、データ整備が進むほどシステムの利便性も上がり、現場がDXの恩恵を実感する、という相乗効果につながりました。
また、アプリに順応しやすかった若手社員を中心に、帰社後の事務作業が大幅に効率化され、退社時間が目に見えて早くなりました。最終的には営業全体でも以前より早く退社できるようになるなど、労働環境が改善されたインパクトも大きかったです。

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

商品を得意先へ配送する業務はフローが複雑なため、まだ紙で管理しています。このように、まだ完全にデジタル化されていない業務のDXにも今後取り組んでいきます。また、当社は大阪本社の他に3か所の支店がありますが、それぞれの販売管理情報をデータでリアルタイムに共有できる環境も整えていきたいと考えています。

将来的には商品別の販売データや顧客別の取引データをAIで分析し、新たな提案活動につなげるなど「攻めのDX」にも挑戦していきたいと考えています。そのためにも、業務データを活用しやすい状態で蓄積できる環境を整えていきたいと思います。

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