Case

DX事例紹介

株式会社ブレス

業種

2025年取材

2024年から、DXの取り組みに着手
2024年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

当社は泉南で約30年にわたって「ブレスガーデン」の名で生花・総合園芸業を営んできました。現在、泉南本店とイオンりんくう泉南店の2店舗を運営し、フラワーギフトや観葉植物、園芸用品などを販売しています。

広々とした泉南本店では、多種多様な花苗や観葉植物を取り扱っている

1年ほど前にスタッフの離職が重なり、店頭の対応とバックオフィス業務の両立が困難な時期がありました。その際に痛感したのが、紙のタイムカードとアナログな勤怠管理による業務負担の大きさです。毎月、アルバイトスタッフの給与計算に多くの時間を取られていましたが、人員のひっ迫により改めて目を向けることになったのです。

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

泉南市商工会の紹介で大阪DX推進プロジェクトを知り、DX推進コンサルタントの折原さんに相談してクラウド勤怠管理ツールを導入することにしました。当初はDXに関する知識が乏しかったため、私たちに扱えるのか、また本当に効果があるのか、想像がつきませんでした。

実際にいくつかのツールを教えていただき試してみましたが、用語や設定が難しく、うまく活用できそうにありませんでした。折原さんからは「不明点をリストアップしておくこと」「自社の勤務形態をベンダーに正しく伝えられるよう整理すること」など、円滑な導入に向けたアドバイスをいただき、最終的に操作がもっともシンプルなツールの導入を決めました。

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

導入したツールはシフト管理用のクラウドツールですが、まずは出勤・退勤・休憩の登録機能から導入しました。スタッフの動きとしては紙のタイムカードがタブレットに変わっただけですが、毎月の給与計算にかかる作業が大幅に軽減されました。

それまで紙のタイムカードを元に各スタッフの労働時間などを計算して毎月の給与を算出していましたが、現在はクラウド上の勤怠データをExcelフォーマットにコピーするだけで完了します。その結果、給与計算にかかる時間は約4分の1に短縮され、その分、店舗の対応に人員を割けるようになりました。

導入したシステムの出退勤画面と勤怠データ
手作業の集計から大幅な効率化を図ることができた

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

現在はタイムカードの代替としての活用のみですが、今後はシフト作成にも活用の幅を広げていきたいと思います。また、毎日の売上管理もアナログな手作業のため、レジもクラウド化して集計作業を自動化していきたいと考えています。

花き業界は厳しい状況ですが、コト消費を楽しむ若い世代の市場にはまだまだチャンスがあります。バックオフィスの負担を減らすことで新たな需要の創出や店舗のサービス改善に力を入れ、「南泉州でナンバーワン」のポジションを築いていきたいと思います。

地域で「フラワーギフトといえばブレス」となれるよう取り組みを進めている

DX推進コンサルタント折原からのコメント

「ピンチはチャンス」という言葉を体現するように、コロナ禍など自社の努力だけでは乗り越えられない困難を好機と捉え、ご相談くださる企業様は少なくありません。
ブレス様もそのうちの一社です。予期せぬ従業員の離職という大きなピンチを経験されましたが、それをバネにバックオフィス業務の効率化に着手し、次の一歩を踏み出されました。
多機能なサービスは自分たちには敷居が高い、という的確な判断をされ、シンプルですが導入しやすいサービスを選択なされました。「敷居が高い」ということで、システムの導入を諦められる企業様もある中で、導入~活用までたどり着いたのは、同じピンチで二度と慌てたくない、という先を見据えた視点があったからだと感じています。

その気概があれば、南泉州地域はもちろん、より広いエリアでもオンリーワンの存在となれるはずです。今後のさらなるご飛躍を心より楽しみにしております。

左よりDX推進コンサルタント折原氏、樫木氏、泉南市商工会 経営指導員の三木氏

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