Case

DX事例紹介

ヒットガード株式会社

2025年取材

2024年から、DXの取り組みに着手
2024年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

2009年の創業以来、建材の販売やリフォームを手がけてきた当社は、2016年から介護事業に参入し、現在は寝屋川市内で2か所の通所介護施設を運営しています。介護事業では「通所介護計画書」や「個別機能訓練計画書」「生活機能チェックシート」などの書類を利用者様ごとに作成する必要がありますが、専門知識が求められるため各事業所に1名ずつしか対応できる職員がいませんでした。

これらの書類は機械的に作成できるものではなく、例えば機能訓練のプランや目標などの文章をゼロから作ったり、専門用語を利用者様やご家族も理解できるように表現したりする必要があります。2か所ある事業所にはそれぞれ90人ほどの利用者様がいるため、1人で書類作成にあたる職員に作業負担が集中し、残業も発生していました。

利用者が自立した日常生活を送ることができるよう、介護や機能訓練などを行っている

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

介護業界向けの業務支援ソフト導入に向けた検討を始めました。大阪DX推進コンサルタントの黒﨑さんからDXの必要性や目的を指南いただき、ソフトの導入で解決できる業務課題の洗い出しと整理をスタッフ全員で行いました。

最終的に2つのソフトを検討しましたが、1つめにテスト運用したものは基本情報の入力項目や目標提案が私たちの業務に合わず、期待した効果が見込めませんでした。2つめに検討したソフトは職員から「使いやすくて業務効率が上がる」と好評価だったため、導入を決めました。2か所の事業所のうち1か所で先に本格導入し、1か月ほど運用。ある程度、使い慣れたところで、もうひとつの事業所にも導入しました。

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

導入したソフトは、選択肢から必要な文言を選んでいくだけで計画書類を作成してくれます。ゼロから文面を考える必要がないため負担も大きく軽減し、1人分の書類作成にかかる時間は概ね半減しています。作業時間の短縮に伴い、担当職員の残業もほぼなくなりました。空いた時間を今まで以上に、ご利用者さまとの時間に充てる事ができました。

また、体力測定などのデータをグラフ化することもできるので、利用者様のリハビリ状況をより明確にケアマネージャーやご家族に伝えることができます。今後はこれらの機能も活用して付加価値を高めていく予定です。

一方で、ソフト導入に向けて業務課題の洗い出しをしたことで、さまざまな気づきを得ることもできました。2つの事業所で作業手順にバラつきがあったり、無駄な作業に時間を取られたりしていたことがわかり、それらの課題を可視化できたことも成果のひとつだと感じています。

利用者ごとの計画書作成のほか進捗管理もでき、職員の業務負担が大幅に軽減

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

まだ導入して間もないため特定の職員しかソフトを扱っていませんが、今後はどの職員でもソフトを使って計画書を作成できるようにする予定です。そして可能な限り業務を効率的に分配して、利用者様の満足度向上に充てる時間を増やしていきたいと思います。さらには、もともと弊社が手がけていた建材・リフォーム事業の方でもDXに取り組み、全社的に業務改善を進めていきたいと考えています。

左よりDX推進コンサルタント黒﨑と小泉氏、スタッフのみなさま

DX推進コンサルタント黒﨑からのコメント

ヒットガード様のDX推進は、「経営者、従業員、支援者が共に課題を掘り下げ、変革を創る」プロセスそのものでした。
経営者、従業員の皆様と業務課題を徹底的に洗い出し、デジタル化で対応できること、仕組みやルールで対応できる事などを整理する事を重視しました。この「見える化」の取り組みは、単なる効率化を超え、業務手順のばらつきや無駄に気づく組織全体の変革のきっかけを生んだ、DXの本質を捉えたものだと感じています。
結果として、介護業務支援ソフト導入で書類作成時間は概ね半減し、担当職員の方の残業も解消され、利用者様への付加価値向上も実現されているとのこと、素晴らしいです。
ヒットガード様は、これからもさまざまな事について目を向け、慣習にとらわれずに変化していけると確信しております。

PAGE TOP

Reservation