Case

DX事例紹介

株式会社シー・ビィ・エィ

2025年取材

化粧品・医薬部外品・健康食品の製造販売、海外輸入商品ならびに関連商品の製造販売、海外化粧品の輸入販売
関連会社:株式会社ミックコスモ (https://www.miccosmo.co.jp/
2024年から、DXの取り組みに着手
2024年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

当社は大阪で約40年前に創業した化粧品メーカー、(株)ミックコスモのグループ会社として、生産と研究開発、物流を担ってきました。(株)ミックコスモの商品の製造のほか、OEMの受託開発・生産も請け負っています。

スキンケア用品をはじめ化粧品や健康食品などさまざまな商品を取り扱っている

長く業務上の課題となっているのが注文の処理作業で、得意先からFAXで届く注文内容を基幹システムに打ち込む作業が日々の業務の大きなウエイトを占めていました。FAXの字は読みづらいため、注文番号や数量の数字を判読できない場合は直接確認の連絡を入れる必要があります。また、人が作業するとどうしてもミスが起こる可能性があるため、そのチェックの人員も必要です。

日によってはこれらの処理作業だけで午前中が終わってしまうこともあり、他の業務に手が回らない状況が続いていました。また、コロナ禍の影響で人員が減ってしまったことも業務の圧迫に拍車をかけており、注文処理の省人化は喫緊の課題となっていました。

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

大阪DX推進プロジェクトの専門家派遣を利用し、注文処理も含めさまざまな業務課題について相談する中で、AI-OCRを紹介していただきました。実はその前からFAXの処理をOCRで自動化できないか検討していたのですが、FAXのフォーマットが得意先によって異なることもあり、なかなか理想どおりの成果が得られない状況でした。

AI-OCRであればフィードバックするたびに読み取り精度が向上し、書き方が異なるFAXにも対応できるようになります。現在はテストとフィードバックをくり返しながら精度を向上させているところで、導入から1ヶ月で注文全体の約50%は正確に読み取れるようになっています。

AI-OCRの操作画面。基幹システムへの転記作業負担を軽減し、注文処理を省人化する。

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

AI-OCRによる注文処理の自動化に目途がついたことで、今後の業務改善に対する期待感は高まっています。

また、専門家派遣を通じて課題が可視化されたのも大きな成果だと感じています。最初に相談したときは課題が漠然としており、「今の人員でもっと効率よく業務を回したいが、何から手を付けて良いかわからない」という状態でした。しかし相談を重ねるうちに問題の根本原因や解決策が明確になるとともに、自分たちが「当たり前」と思っていたフローにも改善点があることがわかってきました。

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

AI-OCRによる注文処理の自動化は、まだ時間はかかりますが確実に業務の省力化につながると期待しています。効率化が進めば、その分のリソースを活用して市場開拓や生産量の拡大に力を入れていきたいと考えています。新規顧客の獲得に向けて、マーケティングオートメーションのような営業DXの導入も検討しています。

「DX」と聞くと、壮大なプロジェクトのようなイメージを持っていましたが、今回の専門家派遣を通じて中小企業でも取り組める身近なものだと実感できたので、今後も業務改善に取り入れていきたいと思います。

DX推進コンサルタント黒﨑からのコメント

最初にご相談いただいた際、「デジタル化の検討」をされていました。しかし、コロナ禍以降、1人あたりの業務量が増加し、その「検討」の時間がなかなか取れない状況でした。そこでご訪問(打ち合わせ)は、1日の業務が落ち着く午後4時に社長と社員の方に集まっていただき、ご自身たちの業務における「面倒だと感じている点」「非効率だと感じる点」「ミスが多い箇所」を挙げていきながら、デジタル化に限定しない解決策も含め、検討と実行を繰り返し行ってきました。

当初はなかなか取り組みが進まない状況でしたが、DXが決して手の届かないものではなく、経営課題を解決するためのツールであると認識されたことをきっかけに、取り組みが加速し成果が得られたと考えています。このような成功体験から、今後も前向きに取り組みを進められると思っています。

左よりDX推進コンサルタント黒﨑と樋口氏

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