Case

DX事例紹介

株式会社セプテム総研

2023年取材

化粧品、栄養補助食品の企画・製造・販売、美容機器などの企画・販売
2022年から、DXの取り組みに着手
2022年度に大阪DX推進プロジェクトのセミナー・連続講座を受講後、DX推進コンサルタントの専門家派遣を利用。

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

当社では化粧品や健康食品、美顔器などの研究・企画・開発・製造および販売を行っています。特に化粧品は神奈川県にある事業所で処方開発を行い、製造は外部の協力工場に委託しています。
私ども生産部では、売上や製品在庫の状況を確認しながら資材の購買や製造の計画を立て発注を行うなど、商品の生産工程における管理全般を行っていますが、発注書など帳票類等を作成する作業は、自社で構築したアクセスからデータを抽出・集計し、その情報をもとにエクセルで書類を作成するというものでした。
そうした生産・納品・請求管理の一連の作業を効率化できないかと考え、大阪DX推進プロジェクトの業務効率化を検討する連続講座に参加し、その後講座を担当したDX推進コンサルタントに相談をさせていただきました。

取り扱い商品の一例(左から順にソープ、オイルクレンザー、スキンローション、エッセンス、ミルクローション、インテリジェントクリーム)

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

DX推進コンサルタントに来ていただき現状を説明したところ、先にDX推進の目的を整理した方がよいとアドバイスをもらいました。それにより業務がどれくらい効率化でき、また競合他社に対してどのような優位性が打ち出せるのかを改めて整理することは、DX導入を大きな視野で考えるよい契機となりました。
そのうえでノーコードツールを導入してみてはどうかと提案をいただきました。そこで、はじめは少額の費用で導入し、自分たちでシステムを構築しながらやるべきことを明確にして進めていくという方法をとったところ、費用も抑えられ、経営層にも理解が得られやすかったです。2022年10月から1カ月間の無料試用期間を経て、そのまま継続利用しています。

左から関本氏、DX推進コンサルタント折原、橋本氏

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

いくつかのメリットを感じています。まずは情報の一元管理です。請求書を作るたびにこの単価で合っているのかなと不安になり、見積書を探すといった手間が省けるようになりました。生産部には2人の従業員がいますが、作業履歴が残っているので情報共有ができ、どちらかが休んでも業務が滞ることがなくなりました。
次に業務スピードの向上です。データの出力や集計に時間がかかっていた帳票類も、ワンクリックで出力できるようになりました。
そして私(橋本氏)自身の成長です。私(橋本氏)は入社3年目なのですが、システムを構築する過程で社内の全体的な業務の流れが把握でき、事業に対する理解が深まりました。
導入によって削減できた工数を人件費に換算したところ年間で50万円以上の費用が抑えられ、ノーコードツールの導入費用を上回る効果がすでに出ています。

①製品管理画面:各製品について、一覧で納品計画を管理

②製品の年間仕入額割合画面

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

季節や年齢層によって商品の販売状況が変わるので、今後は生産・販売データを積み重ねていき、売上予測の精度向上に活かしていきたいと考えています。それによって仕入先、協力工場で計画的な生産を行ってもらえるようになるとともに、当社としても予測に基づき材料をまとめて購入することができればコスト削減にもつながり、その結果お客様にも喜んでいただけるでしょう。
またマーケティングの観点では、原材料を供給できる企業の情報などを蓄積し、新たな商品を企画開発する際にスムーズなスタートができるようにしていきたいと考えています。
現在は生産部と物流事業部でノーコードツールを導入しています。今後は社内全体に広げ、より効果を出していきたいと考えています。

DX推進コンサルタント折原からのコメント

社内人材を活用し、DXに舵を切った素晴らしい事例です。下記コラムのとおり、いきなり外部に委託ではなく、まず社内で人材を探してみてはどうでしょうか。

◆折原の経営相談室コラム記事
第461回 DX人材がいないと嘆く前に|経営相談室のなかのひと|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン) (sansokan.jp)

PAGE TOP