Case

DX事例紹介

大洋株式会社

2023年取材

学校・オフィス向け事務用品の加工・販売
2023年から、DXの取り組みに着手
2023年度に大阪DX推進プロジェクトのDX推進コンサルタントの専門家派遣を利用。

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

当社は学校やオフィスで使われる掲示板の表面に使われるクロスやマグネットシートを仕入れて適正なサイズに加工し、販売しています。そこから派生してホワイトボードやコルクボードなども扱っており、ECサイトで一般消費者向けに販売しています。
2022年に社長に就任し、先代が一手に引き受けていた受発注から在庫管理、経理作業に至るまでの事務作業を引き継ぐことになりました。これらの作業すべてが紙による手書きで行なわれていたため、とてもではないけれど自分1人ではキャパオーバーになると感じ、DXに取り組むことにしました。

取扱い商材各種(左上から時計回りに”ホワイトボードシート””掲示板クロス””コルクシート””マグネットシート”)

Q. どのようなDX推進を行いましたか。

何から始めてよいかわからず、まずは大阪産業創造館の若手経営者・後継者育成プログラム「なにわあきんど塾」に参加しました。そこでいろいろな悩みを相談するうちに、DX推進コンサルタント黒﨑さんを紹介されました。会社に来ていただき、各種事務作業が分厚い台帳で管理されている現状を見てもらいました。
インボイスの導入も控えていたので受発注業務からデジタル化に着手。事務担当と出荷担当の2名を加えたプロジェクトチームをつくり、受注から出荷までの業務フローを整理したうえで、複数の販売管理システムの中から価格と機能のバランスを考えて自社に合ったシステムの導入を決めました。
その後マスターデータの整備などを経て、10月のインボイス導入のタイミングに何とか間に合わせることができました。IT導入補助金が使えることについてアドバイスをいただけたことも後押しになりました。

山岸社長(左)とDX推進コンサルタント黒崎(右)

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

導入以前は先代が経験と勘に頼って仕入れの発注をしていたのですが、現在は受注から出荷までの状況が正確に把握できるので、どのタイミングで商品を仕入れたらよいかが判断できるようになりました。また、得意先別にどの商品がどのタイミングでどれだけ売れているのかについても日々の状況がわかるようになりました。今までは「何となくこんな感じなんだろうな」と推測するしかなかったのでストレスが減りました。
また、過去の受発注履歴も台帳に頼らず、システム内ですぐに検索できるので、受発注伝票の作成作業も楽になりました。すべての作業について標準化をしたかったのですが、特注案件については個別の仕様も多いため自由記入欄を設け、仕様の詳細などを書き込めるようにして柔軟性をもたせ、対応できるようにしています。

年代物の仕入帳など(左)や、今後デジタル化される予定の見積り、価格、仕入資料(右)

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

データを生かした経営改善が今後のテーマです。収益への貢献度が高い商品についてはより販売に注力し、そうでない商品については扱いの見直しも考えていかなければならないと思っています。また、営業面でもデータを活用できると思っています。データを分析することで、しばらく受注が途絶えている既存の得意先を見つけ出し、そこに対してもう一度関係を構築するために連絡をすることで顧客の掘り起こしも可能です。
出荷担当が在庫の細かな把握のために、どこにどの商品を送ったのかを手書きのノートで管理しているので、今後はシステム化できればと考えています。
実際にシステムを導入してみて、効果を実感しました。こんなこともできる、あんなこともできそうだとイメージがふくらんで、今後さらにDXのメリットを享受できることを楽しみにしています。

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