Case

DX事例紹介

多田プラスチック工業株式会社

業種

2021年取材

1部署から段階的にDXを推進

1919年創業。プラスチック射出成型・硬質ポリウレタン発泡成形・小型ポンプ製造という3本柱で、幅広い分野に対応。

Q. DX推進に挑戦するきっかけとなった自社課題は。

-前田社長 技術やニーズは時代によって変化するもの。変化には変化で対応しなければなりません。信頼性の高いものづくりを進めるため、持つべき武器の一つとしてデジタル化、DX推進が必要だと思いました。

-前田取締役 例えば、生産日報。紙に手書きだと記入作業や内容の確認作業で時間をロスするし、保管スペースの確保や過去データを探す手間も大変でした。

Q. どのようなDX推進を行ないましたか。

-前田取締役 2011年頃、生産日報を紙ベースからタブレット入力に。組立工程部署の数名に試験導入する際、まずは説明に時間をかけました。「現場がラクになるから」と説得し、理解・納得してもらうまで2~3カ月かかったと思います。システムとしてはとても簡易。エクセルとデータ管理システムを使って私が作った入力票に、作業者が中古タブレットで生産数などの実績を入力します。中小企業のDX推進のポイントは「簡単で低コスト」なスモールスタート。こまめに改善できるよう、カスタマイズしやすいソフトを選ぶことも大事です。

-掛部氏 タブレットに入力されたデータはWEBページで見える化し、リアルタイムで進捗状況が分かるようにしています。組立部署が慣れてきた後、出荷や材料管理など他の部署にも導入。全体的な生産フローの中で、必要な所を見極めながら、段階的にデジタル化を進めていきました。他には、検品精度と効率性を高めるために1品1品映像に残し、全数検品を可能にすることでトレーサビリティの確保にも努めています。

作業指示はタブレットで確認

作業指示はタブレットで確認

Q. DX推進後に経営内容や社内・社員に変化はありましたか。

稼働計画も一目でわかる

稼働計画も一目でわかる

-掛部氏 蓄積されたデータ活用の幅が広がっています。例えば成型設備30台の稼働計画には、実績を反映させないといけないのですが、タブレットの実績データを使えば自動的に入力されます。また、現場から使っているシステムについて「こういう機能があると便利」などの要望がたくさん出るようになりました。

-前田取締役 紙ベースで進めていた作業をデジタル化したことで、間接業務スタッフのルーティーンが減っています。その他にもデータを活用したマーケティングにより、営業強化に力を入れられるようになりました。

Q. 今後どのような展開を検討されていますか。

-前田社長 他社との差別化を図るには、新しい技術への挑戦だけでなく、管理や生産の安定性を考えなくてはなりません。これまで積み重ねてきた技術を生産性の向上に結び付けて、利益を上げることが課題です。

-前田取締役 そのために、各種センサーの導入と作業の自動化など、不具合発生の未然防止対策を進めています。今まで人手で管理・チェックしていたもので、置き換えられる部分はデジタル化していきたいです。

PAGE TOP